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科学と技術について日ごろ考えることの私のためのメモ


by itot7227ex

アレルギー疾患

 杉花粉が例年になく多く飛び散って、花粉アレルギーの季節がやってきた。現在73才の筆者も65才を過ぎてから、杉花粉に限らず、あらゆる抗原に抗体反応が現れ、通年性アレルギー性鼻炎と診断されて悩んでいる。耳鼻科の先生は、大事に至ることはないので、辛抱が肝心というご診断。いやはや、辛いものである。
 さて、日経サイエンス(2005年、5月号)によれば、日本では1970年ごろから急速に増え始め、2000年には、国民の40%が罹患履歴を持っているようである。内訳をいえば、20%近くの人がアレルギー性鼻炎に、また15%近くがアトピー性皮膚炎に、5%近くの人が気管支喘息にかかっている。この傾向は世界の先進国に共通なものであり、今後とも増加の勢いは止まらないとのこと。

 さて、アレルギー疾患は、遺伝子と環境的な要因とが複雑にからまった疾患のようだが、考えてみると遺伝的な要因がこの30年間でそう大きく変化するとは考えられないので、近年の環境的な変化が原因であることは、確実だろう。
 そこで上記の日経サイエンスを頼りに、環境的な変化を列挙すると、

1.食生活の変化:日本食から欧米食への移行によって豆腐・菜種油・魚介類の摂取の減少によるリノレン酸の減少
2,花粉や排ガスによる空気汚染:戦後の植林運動で雑木を切って植えられた杉や檜が成長して多量の花粉を飛ばすようになった。排気ガスの汚染も目立つ。
3.室内環境の欧米化:鉄筋の密閉型住宅に空調が効き、室内の塵ダニが増えている。
4.清潔すぎる生活環境:抗生物質の多用や抗菌グッヅの増加で見境なく細菌を殺しており、とくに対アレルギー疾患に有用な腸内細菌叢を減らしている。また、腸内の寄生虫の減少がアレルギー疾患の増加に寄与しているという説もある。
5.ストレスの増加:ストレスによって免疫システムのバランスが崩れ、喘息患者などが増えている。

などとあるそうだ。
 筆者も寄生虫までは飼っていないが、室内でもマスクを着用して花粉や塵の害を防止したり、ヨーグルトを毎朝食べて腸内細菌叢を育成したり、日本食メニューを妻に増やしてもらってリノレン酸を増やしたりしているだけでなく、アレルギー治癒用の薬を飲んでいるが、一向に効果はない。なんとかならないものかと毎日思う今日この頃である。

 なお、著者は情報技術で漢詩をよむの監修者です。このHPも是非アクセスしてください。
 
by itot7227ex | 2005-04-19 06:33 | アレルギー疾患